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色絵
第2章 入門
「貴女が純真な方ということですよ。
桜の開花前に、幹の中で赤い樹液が流れるのをご存知ですか?」
「はい、聞いたことがあります。」
「そこから描きたくてね。油絵の具の下に、赤い水彩絵の具で色付けしたんです。
表面のゴツゴツした感じは油絵の具の方が上手く表現できるのでね。
枝の先に行き渡るまでに薄まって、桜色の花びらが色付くと思ったら、凄いことじゃないですか?」
先生の真剣な眼差しにワタシが吸い込まれそうだった。
「はい。でも、油絵の具で隠れてしまう赤い樹液から描こうと思われる先生のほうが凄いです。」
先生は驚いた表情になる。
こんなに楽しい会話のやり取りは久しぶりだった。
先生と今日初めてお会いしたということを忘れていた。
「今日のところはこの辺にして、少し庭を散歩しませんか?
実は名前の解らない草木や、扱い方が解らずに弱っているようなものもあるんです。」
先生の申し出は、ワタシの望みでもあり、二つ返事で庭に向かった。
桜の開花前に、幹の中で赤い樹液が流れるのをご存知ですか?」
「はい、聞いたことがあります。」
「そこから描きたくてね。油絵の具の下に、赤い水彩絵の具で色付けしたんです。
表面のゴツゴツした感じは油絵の具の方が上手く表現できるのでね。
枝の先に行き渡るまでに薄まって、桜色の花びらが色付くと思ったら、凄いことじゃないですか?」
先生の真剣な眼差しにワタシが吸い込まれそうだった。
「はい。でも、油絵の具で隠れてしまう赤い樹液から描こうと思われる先生のほうが凄いです。」
先生は驚いた表情になる。
こんなに楽しい会話のやり取りは久しぶりだった。
先生と今日初めてお会いしたということを忘れていた。
「今日のところはこの辺にして、少し庭を散歩しませんか?
実は名前の解らない草木や、扱い方が解らずに弱っているようなものもあるんです。」
先生の申し出は、ワタシの望みでもあり、二つ返事で庭に向かった。