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色絵
第11章 無花果
ガシッ

「逃がしませんよ。」

先生に腕を掴まれてしまう。

「どこで話をしましょうか。他の沙絵の色絵や情画を見ながら話しましょうか…」

「嫌です。見たくないです。二人が愛し合ってるところなんか…」

「ではアトリエにいきましょうか…」


「いや…聞きたくない…」


離して貰えなかった。
椅子に座らされ、括られる。椅子ごとカーテンの前に連れて行かれ、ワタシの絵たちが開かれる。


見たくない、聞きたくない…これ以上傷つきたくない…

着物の襟が開かれ、袖が抜かれる。裾も開かれて裸に近い状態になる。

後ろ手に縛られてワタシはもう逃げられなかった。

「先生…ほどいて…離して…」

「話が終わったら解放しますよ。

話は聞いて貰います。

でも最後まで理解していられるでしょうか…」

先生が奥の忌まわしい部屋から小瓶を取ってくる。

蓋を開け、筆がそこに入れられた。

透明な液体を含んだ筆で乳首の周辺と秘部にそれを塗られる。

「先生…何を塗ったんですか…」

「悪いものは入っていませんよ。ゆっくり効いてきますから…
そのうち分かるでしょう。」


「先生…やめて…これ以上…やめて…」

涙を溢して頼んでも聞き入れて貰えなかった。
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