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色絵
第11章 無花果
先生が作品の私たちを指でなぞる。
くねくねとイヤらしい手つきで…
一度私と目を合わせたが、椅子の後ろに回り、項に口づけを始めた。
「僕の宝物…
貴女を愛しているのですよ。」
「沙絵さんと沙織さんをでしょう…」
「では、貴女も愛しています。」
「違います。先生は沙織さんを愛しているだけです。
沙絵さんは身代わり…
ワタシは沙絵さんの身代わり…
いえ、ただの性欲の捌け口だったんでしょう。」
「違いますよ。わかってもらえないでしょうか…
とりあえず、話を聞いてもらいましょうね…」
チュッ…
項にキスされる。
「沙絵が沙織の実家に連れて行かれてからも、僕は毎日会いにいきました。
でも、ずっと会わせて貰えなかった。
沙織の母親の葬儀でやっと沙絵に会えました。
沙織の父親は仕事人間でしたから、沙絵は全くなついていませんでした。
その後も沙絵に会いに毎日いきました。
そしてやっと、なつかない沙絵に手を焼いていた父親が、僕と沙絵の養子縁組を認めました。
沙絵は喘息持ちです。彼女のことを考えて此処に来ましたが、塀を建てたのは、僕のわがままです。」
くねくねとイヤらしい手つきで…
一度私と目を合わせたが、椅子の後ろに回り、項に口づけを始めた。
「僕の宝物…
貴女を愛しているのですよ。」
「沙絵さんと沙織さんをでしょう…」
「では、貴女も愛しています。」
「違います。先生は沙織さんを愛しているだけです。
沙絵さんは身代わり…
ワタシは沙絵さんの身代わり…
いえ、ただの性欲の捌け口だったんでしょう。」
「違いますよ。わかってもらえないでしょうか…
とりあえず、話を聞いてもらいましょうね…」
チュッ…
項にキスされる。
「沙絵が沙織の実家に連れて行かれてからも、僕は毎日会いにいきました。
でも、ずっと会わせて貰えなかった。
沙織の母親の葬儀でやっと沙絵に会えました。
沙織の父親は仕事人間でしたから、沙絵は全くなついていませんでした。
その後も沙絵に会いに毎日いきました。
そしてやっと、なつかない沙絵に手を焼いていた父親が、僕と沙絵の養子縁組を認めました。
沙絵は喘息持ちです。彼女のことを考えて此処に来ましたが、塀を建てたのは、僕のわがままです。」