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色絵
第6章 開花
膝から下も丁寧に色付けする。ふくらはぎの隆起、細い足首、親指まで力が入っているのを見つけた。

快感でキュンと反り返るそれはとても可愛い。
一本一本の指を細筆で色付ける。愛おしさがいっぱいになった。


もう一度全体を見渡し、仕上げの筆を入れる。
フゥッ…一息ついて貴女を見つめた。

貴女も区切りをわかったのか僕を見ていた。


「体は動かせないけど休憩しましょうね。」

僕はキッチンにいった。
苺とアイスティーを用意した。

「動けないけど辛くないですか?」

「でも作品出来上がるの楽しみですから、大丈夫です。」

こうして、励ましながら2日間で牡丹は仕上がった。

最後に唇に筆を入れる。
途中何度も吐息や声を洩らした唇に色をつけると、艶やかな牡丹が開花した。

僕が休憩に苺を出したのは、貴女の唇が甘酸っぱい苺をイメージさせたからだ。


貴女は出来上がってすぐに見たがったが、引き延ばして翌日のレッスンを切り上げて御披露目とした。

パンジーも何枚も描いた。次の題材を考える。


牡丹は出来ればもう1枚描きたい構図があった。少しずつ羞恥の花びらを剥いで貴女の花芯に触れたかった。
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