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色絵
第6章 開花
「そのまま普通にここまできて腰掛けなさい。」

先生が椅子の背もたれを手で叩いて示す。

歩くと着物の合わせは完全にはだけて、腰巻きが露になるが、指示通り着物を直さずに腰掛けた。

「椅子の背もたれに両手を回して…」

当てがられたクッションに凭れて手を後ろに回す。

ヒュン…
後ろから何かが体の前を通り、ワタシの胴体は背もたれに引っ張られた。

下帯?確認できると同時に腕も体もひと括りに背もたれに縛られた。


「牡丹は、好きで座ってるんじゃなくて、縛られて動けないんじゃないか?

芍薬や百合のように、立ったり歩き回りたいのに、座らされてるんじゃないか?

だからその場所で見事な花をつけ、見にきてもらうのを座って待っているんじゃないか?

それが、僕が思う次の牡丹のコンセプトです。」


先生は話しながら、帯を乳房の上下に通してワタシを椅子に縛りつけた。

そして、前にきてワタシの足元に屈む。もう1本帯を持っていた。

先生がワタシを見上げる。ワタシの方が先生の色香に参り動けなかった。


怯えていると思ったが、貴女は欲を孕みながらも、優しい瞳で僕を見ていた。

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