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オナホ女とディルド男
第8章 オナホ女とディルド男
【最終章 オナホ女とディルド男】
そして僕たちは今、ラブホテルの一室で向き合ってお互いを見つめ合っていた。
ディルド男と呼ばれた僕と、オナホ女と呼ばれた彼女。互いに恋愛も普通のセックスも知らずにここまで来た二人。
指示され、命令どおりにしか異性と繋がったことがない、そんな二人はお互いにどうしてよいのか、なにから始めていいのかわからないまま、ベッドの前で立ちすくんでいる。
「改めまして…えー、こんにちは」
「こちらこそ…はじめまして…」
ぎこちない挨拶。しかし、これまで会話もないセックスだけをしてきた僕はこれ以上もう何を話していいのかわからなかった。
それは彼女も同じだったのだろう。僕が何を話していいかわからず言いよどんでる姿にちょっと安心したような微笑みを浮かべて言った。
「あの、無理に会話とか、やめましょ。こんな私たちだし」
「そ、そうですね」
僕はその言葉に救われ
「じゃ、じゃあ…」
と言うと、彼女は視線を下にそらせて、コクン、と小さく頷いた。