この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
みぃのお話【番外編】
第6章 『旦那様☆ロマンチスト』~クリスマスのお話~
「敏さん、いったい何が欲しいんだろ…。」
―――うーん、決まらない!
立ち寄るお店のディスプレイはクリスマス一色に染まって。お祭り気分を更に盛り上げていた。
セーターや手袋などが綺麗にラッピングされ、素敵に並べられているのを目にすると、目移りし迷う。
―――あれ、凛子ちゃん?
マフラーがたくさんディスプレイされている場所で、真剣にプレゼントを選んでいる凛子ちゃんの姿を見つけて―――…。
「みーきなちゃん!」
「佳世さんっ」
メンズ売り場で頭を悩ませていると、急に私の名を呼ぶ声がし、びっくりして思わず振り向くと、そこには義姉の佳世さんが、優しい微笑みを浮かべて立っていた。
佳世さんは敏さんと結婚して初めて出来た、いわゆる“お姉さん”
実の姉妹には、妹だけの私にとって、姉や兄という存在は幼い頃からの憧れだった。
結婚して初めて出来たその姉という存在。
佳世さんは、新関家の嫁としての先輩であると同時に、憧れの“お姉さん”で。私とって大好きな憧女性なのだ。
「こんにちは。樹菜ちゃん。
さっきから真剣な顔をして、品物をみてるけれど、
もしかして、敏くんのクリスマスプレゼントで悩んでるの?」
―――あらら、佳世さんにはバレバレでした。
「はい。もー、たくさんあるから、どれにしたらいいか迷っちゃってるんです。
それより、佳世さんっ、お腹~!だいぶ目立つようになりましたね!」