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みぃのお話【番外編】
第6章 『旦那様☆ロマンチスト』~クリスマスのお話~
佳世さんの懐妊。
そのことはお義母さんから聞いていたけれど、実際妊娠してから会うのは初めてだった。
黒いロングのダウンコートの前は開いていて、下に着ているスエット生地のマタニティー用のワンピースがお腹のラインに沿って柔らかなラインを描いていているのが見える。あの大きなお腹のなかに赤ちゃんがいるんだよね。
「うん、だいぶね。
前に突き出てきてる感じだから、多分男の子かな?なんて思ってはいるんだけど、あえて性別は教えて貰ってないの。
これからもっとおっきくなるから、そしたらもう大変」
そう言って笑う佳世さんの柔らかな笑みは――新しい命を宿している女性ならではの聖母みたいな笑みだった。
周りにいる人間の心の中に小さな火を灯すような
、そんな温かな笑みにつられてしまい、私も一緒に微笑んでしまう。