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みぃのお話【番外編】
第6章 『旦那様☆ロマンチスト』~クリスマスのお話~
―――だって、今日はクリスマスイブだもんな、なんて。小さく呟いた敏さんの声が聞こえたような気がして、淡い期待に胸が跳ねた私がいる。
敏さんが賢さんに連絡して、凛子ちゃんをうちに迎えに来ることになり、それから十五分ぐらいで賢さんがうちに到着した。
「敏にぃ、みーなさん、ごめんなさい」
「ううん、凛子ちゃん気にしないで。それより賢さんとのクリスマスイブを楽しんで」
……全ては、誤解だったんだし。
ちょっと耳に痛いセリフに、胸が痛んだ事実はあるけど、終わり良ければ―――なんて。
幸せそうな賢さんと凛子ちゃんを玄関の外で見送りながら、そんな風に思った私だった。
昼から降り続いている外の白い雪は、辺りを幻想的な雰囲気に変えている。
恋すれば故な、凛子ちゃんの態度と、今は無事に寄り添う二人にホッとすると同時に、その若さが羨ましくもあり。
なんだかロマンチックな気分になってしまった私がいた。