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みぃのお話【番外編】
第6章 『旦那様☆ロマンチスト』~クリスマスのお話~
……気のせいだよね。
一緒にワインを飲もうと、敏さんがいるお風呂場の方へ向かって声を掛けたはずなのに、その返事は玄関の方から聞こえた気がして、ちょっと不思議に思ったけれど。
さほど気にしないまま、準備したワイングラスに静かにワインを注ぎ入れる。
白の甘口のスパークリングワインは、イタリアからの輸入ワイン。
いつも飲んでるワインより少しだけお値段が張るけれど、凄く飲みやすくて美味しくて。特別な日にだけに購入しちゃう、私たち夫婦お気に入りのワインだった。
しゅわしゅわした細かい泡が、グラスの中でキラキラと踊る。
ワイングラスの細い足を持ち、自分の顔の前に来るようにワイングラスを持ち上げていた私は、グラス越しに見えた、クリスマスツリーのライトのロマンチックな光をうっとりと眺めた。