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みぃのお話【番外編】
第4章 『だ~いすき!』~書道で恥ずかし☆墨の誘惑?~
紙に対して中心がとれていればバランスが良く見える。
けれど、それを咲ちゃんに対してどんな風に説明したら良いだろう?
恩師である長谷川先生(今の若先生のお祖父さん)の教えを頭の中で必死に思い出す。
―――そうだ!先生は、人体に例えて教えてくれたっけ。
「咲ちゃんの頭。鼻。首。おへそ。真っ直ぐ体の中心を通っているでしょう。」
「うん。」
「『あさひ』の文字も“あ”が頭だとしたら、
“さ”はおへそね。“ひ”は足。
その中心の立て線がちゃんと真っ直ぐ真ん中を通る様に書かないと、バラバラな字になっちゃうの」
「華ちゃんセンセー難しいよ!」
「ここ。咲ちゃんの文字は“ひ”が左に斜めになっちゃった。」
そう言って華子は、朱墨で条幅の縦のまん中にまっすぐ赤い線を引いた。
「このラインをまん中にして曲がらないように意識してみて。」