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ナナノナノカカン
第8章 ナナナノハチ@アマイヒ
「執事が帰って来てからも―飼い続けてやる」
「…うん、そうして欲しい」

ナナが目を閉じて微笑むと、
秋景はまるで本物の犬にするようにその体を撫でながら言った。

「ナナにとびきりの非日常をあげよう」
「非日常…?」
「ああ。俺が来る前と同じように執事と暮らすのが日常、
 そこでは今まで通り―はダメだな、女性らしく過ごすんだ。
 傲慢な態度は取らずにな。―でないと俺が怒られる」

秋影が苦笑を交えながら話していくのを
ナナは黙って聞いていた。

「そして―俺と居るときが非日常、だ。
 そこでは犬らしく過ごせ。飼い主の言うことは絶対、
 命令に背けば罰を、達成できればご褒美を。
 日常を分けて生きるんだ――出来るな?ナナ」

いつでも落ち着いた静かな声。
自分に触れる、大きいけれど細く奇麗な手指。
うっとりしながらもナナはきちんとその言葉を咀嚼し、飲み込んだ。
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