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ナナノナノカカン
第11章 ナナナノジュウイチ@オオトリノオカエリ
―
――
「本当にいいんですか?」
「ええ、御馳走様でした」
その帰り。鳳は泊まることを提案したが、秋景は断り、とある駅前で車を降りた。
「逆井さん」
「はい」
「本当にありがとうございました」
「こちらこそ。もう我儘を言い過ぎてはいけませんよ?」
「はい、初日はごめんなさい」
「いいえ、分かって頂けたのですから――それでは。…素敵な七日間でした」
ナナは≪それらしく≫礼を言い、秋景を見送った。
彼もまた同じように――≪仕事≫を終え、去っていく。
鳳と二人きりになった車内で、ナナは目を閉じた。
何を話せばいいのか解らない。
ナナは少々不機嫌だった。
戻って来なくてもよかったのに。
その思いは、どんどん濃くなってしまう。
鳳はナナから発せられている微妙な空気を解こうと口を開く。
「お嬢様」
「なにかしら?」
「これからは私もお嬢様の為にきちんと厳しくして参りますので…
…本当に、このたびは申し訳御座いませんでした」
しかし、ナナは心の中で鳳を嘲った。
何を今さら、と。欲しかったものはもう手に入ってしまった。
貴方はこれからも私を知らないままよ、と。
最初は寂しかった。
そして寂しさゆえの憤りも感じた。しかし今は違う。
そこにあるのは――結局は逃げたんでしょう、というただの苛立ちだった。
「これからは 鳳に頼りすぎないようにするわ、もう17だもの。
今までのことを反省して――素敵な女性になるわ」
「お嬢様…」
なんて在り来たりな反応、と
ナナは早くも≪日常≫に退屈を感じるのだった。
――
「本当にいいんですか?」
「ええ、御馳走様でした」
その帰り。鳳は泊まることを提案したが、秋景は断り、とある駅前で車を降りた。
「逆井さん」
「はい」
「本当にありがとうございました」
「こちらこそ。もう我儘を言い過ぎてはいけませんよ?」
「はい、初日はごめんなさい」
「いいえ、分かって頂けたのですから――それでは。…素敵な七日間でした」
ナナは≪それらしく≫礼を言い、秋景を見送った。
彼もまた同じように――≪仕事≫を終え、去っていく。
鳳と二人きりになった車内で、ナナは目を閉じた。
何を話せばいいのか解らない。
ナナは少々不機嫌だった。
戻って来なくてもよかったのに。
その思いは、どんどん濃くなってしまう。
鳳はナナから発せられている微妙な空気を解こうと口を開く。
「お嬢様」
「なにかしら?」
「これからは私もお嬢様の為にきちんと厳しくして参りますので…
…本当に、このたびは申し訳御座いませんでした」
しかし、ナナは心の中で鳳を嘲った。
何を今さら、と。欲しかったものはもう手に入ってしまった。
貴方はこれからも私を知らないままよ、と。
最初は寂しかった。
そして寂しさゆえの憤りも感じた。しかし今は違う。
そこにあるのは――結局は逃げたんでしょう、というただの苛立ちだった。
「これからは 鳳に頼りすぎないようにするわ、もう17だもの。
今までのことを反省して――素敵な女性になるわ」
「お嬢様…」
なんて在り来たりな反応、と
ナナは早くも≪日常≫に退屈を感じるのだった。