この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ナナノナノカカン
第11章 ナナナノジュウイチ@オオトリノオカエリ

――

「本当にいいんですか?」
「ええ、御馳走様でした」

その帰り。鳳は泊まることを提案したが、秋景は断り、とある駅前で車を降りた。

「逆井さん」
「はい」
「本当にありがとうございました」
「こちらこそ。もう我儘を言い過ぎてはいけませんよ?」
「はい、初日はごめんなさい」
「いいえ、分かって頂けたのですから――それでは。…素敵な七日間でした」

ナナは≪それらしく≫礼を言い、秋景を見送った。
彼もまた同じように――≪仕事≫を終え、去っていく。

鳳と二人きりになった車内で、ナナは目を閉じた。
何を話せばいいのか解らない。

ナナは少々不機嫌だった。
戻って来なくてもよかったのに。
その思いは、どんどん濃くなってしまう。

鳳はナナから発せられている微妙な空気を解こうと口を開く。

「お嬢様」
「なにかしら?」
「これからは私もお嬢様の為にきちんと厳しくして参りますので…
 …本当に、このたびは申し訳御座いませんでした」

しかし、ナナは心の中で鳳を嘲った。
何を今さら、と。欲しかったものはもう手に入ってしまった。
貴方はこれからも私を知らないままよ、と。

最初は寂しかった。
そして寂しさゆえの憤りも感じた。しかし今は違う。
そこにあるのは――結局は逃げたんでしょう、というただの苛立ちだった。

「これからは 鳳に頼りすぎないようにするわ、もう17だもの。
 今までのことを反省して――素敵な女性になるわ」

「お嬢様…」

なんて在り来たりな反応、と
ナナは早くも≪日常≫に退屈を感じるのだった。
/166ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ