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ナナノナノカカン
第4章 ナナナノヨン@ナナノヒミツ
秋景は溜息を吐き、ナナの髪から手を離すと、
その本を捲った。――ナナの気に入っている官能小説――
ざっとその頁の内容を確認してから意地悪い笑みでナナに言った。
「お嬢様、いや女王様」
「…」
また、ナナは返事が出来なかった。
散々偉そうにして来た自分が、恥ずかしい秘密を暴かれてしまった。
ただ卑猥なエロ本ならまだよかった。まあ健全だと言える。
しかし自分のそれは違う。
いつからか≪そういうこと≫に興味があった。
隠れて書店へ行くことが密かな楽しみだった。
本や映像の中の、男の悪魔の様な表情、
赤い縄、肌には血か真っ赤な花弁のような蝋――
愛しているからこそ壊す、時には恨んでいるから壊す。
そして本の中の、或いは映像の中の女性には自分を重ねる。
私もこんな風に触れられたい。肌を寄せ合って温め合いながら、
自分の心にも入りこまれたい。
――どうしようもなく惹かれていたのだ。その世界に。
その本を捲った。――ナナの気に入っている官能小説――
ざっとその頁の内容を確認してから意地悪い笑みでナナに言った。
「お嬢様、いや女王様」
「…」
また、ナナは返事が出来なかった。
散々偉そうにして来た自分が、恥ずかしい秘密を暴かれてしまった。
ただ卑猥なエロ本ならまだよかった。まあ健全だと言える。
しかし自分のそれは違う。
いつからか≪そういうこと≫に興味があった。
隠れて書店へ行くことが密かな楽しみだった。
本や映像の中の、男の悪魔の様な表情、
赤い縄、肌には血か真っ赤な花弁のような蝋――
愛しているからこそ壊す、時には恨んでいるから壊す。
そして本の中の、或いは映像の中の女性には自分を重ねる。
私もこんな風に触れられたい。肌を寄せ合って温め合いながら、
自分の心にも入りこまれたい。
――どうしようもなく惹かれていたのだ。その世界に。