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ナナノナノカカン
第6章 ナナナノロク@チンモクトムチ
少しずつ、区切りながら――
合間合間に紅茶に口をつけたり、
髪や指先を弄んだりしながら、ナナは言葉を紡いでゆく。

何一つ否定せず、ただ頷いていた秋景だったが
ナナの次の言葉が出てこなくなると、一つだけ問いかけた。

「――何が一番欲しかったのか、判るか?」

「ええ、それが《あの世界》には有ったの。
 本当は私を叱って欲しかった、傍で触れて、たしなめて欲しかった」
「そうか、うん」
「恥ずかしかったし、初めてだったから
 信じられなかったけど本当は嬉しかったの、秋景が来た日のこと」
「帰ろうかなとも思ったんだけどな、帰らなくてよかったのか」

秋景は軽く笑いながら言うと、
椅子から立ち上がり―ナナの頭を撫でた。
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