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ナナノナノカカン
第6章 ナナナノロク@チンモクトムチ
「叱って、なんて言いにくいもんな。分かるよ」
「秋景もそうだった?」
「ナナの家ほど裕福ではなかったし、
 何でも手に入ることはなかったけど似たような感じだったな。
 俺は――お前は何でも出来るから放っておいても大丈夫だな、
 とよく言われてたよ。小さいときは少し寂しかった」

今度は、暖かい沈黙が流れた。
秋景はナナの髪を撫でたまま、
ナナは空になったカップを眺めながら――

「秋景、ひとつお願いしてもいいかしら」
「ああ、なんだ」

ナナはそっと椅子から立ち上がり、
秋景のほうを向きしっかりと目を合わせ―
その目に少しだけ羞じらいも湛えつつ、言った。
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