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ナナノナノカカン
第7章 ナナナノナナ@ダラクトスクイ
ゆっくりと床に這う。自分の尿の匂いがする。
嫌悪する筈だったが、ナナは舌を伸ばした。

――しょっぱい。

味わうつもりなどないのに、舌はきちんと味を捉える。
心と体がばらばらに、しかし何処かで繋がっていて――奇妙な感覚。

一回、二回、と床を舐め、
これではとても綺麗になどならないと悟ったナナは一度顔を上げた。

「…どうした?まだ残ってるぞ」
「舐め切れない…」

秋景は何も言わなかった。
ただ冷たい視線でナナを見下しているだけだ。

ナナは再び顔を床に近づけ―
―今度は唇を床につけ、尿を啜った。

「そうそう、いい子だ。あとでご褒美をあげよう」

その言葉はまるで魔法だった。――いい子。
自分を従わせるためではなく、従って初めて与えられる言葉。
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