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綺麗に汚れて
第1章 一目惚れ
パタン…
部屋のドアが閉められ、玄関を入ってすぐのところにあるお風呂とトイレが一緒のユニットバスがあるドアを開け、パチッパチッと電気のスイッチを入れる。
「ほんとだ。つかないね。」
「……………」
超ー背が高い…
私は157センチと至って普通の小さくも大きくもない身長だけど、彼が隣に立つだけで、自分が凄く凄く小さく思える。
「…ちょっと、聞いてる?」
「へ?…あっ!うん!つかないの!」
「あはは…だね。つかないね。」
笑った顔も、かっこよすぎ…
「んー、どうしようかな。真っ暗怖いよね?」
「うーん…でも大丈夫。ありがとう。」
「俺、待っててあげるね。」
しかも優しいし…
「うん…ありが……えっ…!?」
「ん?」
パタン…
一気に視界が暗くなった。
私は今、なぜか突然、トイレの中に押し込まれて、ドアの閉まる音が聞こえて…
暗闇の中、彼がニコニコ笑ってる…
「な…何~?私、トイレ…」
「あはは…なーんてね。冗談。」
「ふふっ…何それ?ビックリした。待っててあげるって、ここで待ってるのかと思っちゃった。」
「ここで待ってて欲しいの?」
「…………!!」
暗いせいで足元が怖い…
だけど彼が意地悪にクスクス笑う声が聞こえてきて、それに胸がドキドキ言う…
その心拍数を知られたくないのに、こんな暗闇でも見えているかのように、彼が私に近付く…
「な、何…?離れてよぉ…」
「名前、なんて言うの?」
「………あや…の…」
「そう。可愛い名前。」
チュッ…
「…………!!」
今…唇に………確かに触れた…
そして自分の耳にも届いたリップ音…
カチャッ…
「可愛い反応~。あはは♪」
トイレのドアが開き、やっと光が入ってきたことで見えた彼は――――楽しそうに…意地悪に、真っ赤になった私の顔を見て笑っていた。