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綺麗に汚れて
第2章 秘密の夜
自分から言い出したことだけど、今夜は絶対に二人一緒に寝ようってサヤカとの約束を果たさないと!
そう思って翔太くんのベッドの上で横になって休憩していると、翔太は部屋にあったソファーを移動させていて…
「でーきた。ベッド♪」
「それソファーベッドだったんだ?」
「こんなの時のためのね。」
「あはは…」
ソファーを広げてベッドにし、その上に翔太くんまで横になっていて、何だかもうお開きの空気が流れ始める。
それを察して口を開いたのは、ヒロくんだった。
「翔太、寝るわけ?加藤はいつ帰んの?」
「俺?俺は泊まる予定だったけど…んー、やっぱり帰ろうかな。寝る場所ないし、明日も朝から仕事だし。ヒロはどうすんの?」
「俺もそろそろ帰ろっかなー。寝る場所が翔太の隣しか空いてないなら。――――アキラはどうする?」
ヒロくんがアキラくんに尋ね、私の視線はアキラくんに集中する。
そのアキラくんはというと、私を一瞬だけ見て…
「んー……みんな帰るなら俺も帰ろっかな。」
…………
「…えー!アキラくんも帰っちゃうの?サヤカと翔太くん、イチャイチャしてばっかりなのに、みんないなくなったら私場違いになるー!」
大袈裟に騒いだ。付き合う一歩手前のような男女と、一人だけ一緒にいるのは気まずいと。
明るく我が儘に言った。
だけどそれは、かなりの勇気だった。
「何それ!?綾乃、まさかアキラ狙い!?」
ここで私が動かなかったら、もしかしたら二度とアキラくんに会えなくなってしまうんじゃないかと思ったから。
ヒロくんと翔太くんと加藤くんが驚く中、私はベッドから飛び起きてアキラくんの腕に抱きついた。
「アキラくんもお泊まりしよ?」
「……あはは…酔ってる?」
「少しね」
いや、ほんとはかなり酔ってる。
どんなに勇気を振り絞ろうと、酔ってなきゃこんなこと言えない。こんなこと出来ない。