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綺麗に汚れて
第1章 一目惚れ
 


私がサヤカに出した条件。

一つは、――――ヒロくんは嫌だ。


ヒロくんには申し訳ないけど、サヤカのことだから、どうせ翔太くんとラブラブイチャイチャするに決まってるし。

そんな中、私の相手がヒロくんだなんて嫌。

だから違う人を呼んでと頼んだ。


そして二つ目は、寝る時は二人一緒。


絶対に私を見捨てて、翔太くんとベッドインなんてしないで!と強く強ーく言っておいた。

「私たちまだ付き合ってないんだよー!?」とサヤカは言っていたけど、まぁ念の為。




そして約一週間が経ち、サヤカの家にいると翔太くんが片道一時間も掛けて車で迎えに来てくれた。


「翔太っ!」

「おう、サヤカ!綾乃も一週間振りー。」

「こんばんは。ありがとね?」


嬉しそうなサヤカと後部座席へと乗り込み、助手席に座っていた翔太くんに挨拶をした。

運転席には翔太くんの友達だという男…

だけど時間は既に夜9時を回っていて、辺りも車内も暗いし、後部座席から運転席に座る彼の顔が見えるわけもなく、よく顔は分からないまま。


どんな人なんだろうか?

狭い車内で一緒にいるにも関わらず、そう思っていたのだけど…


「……ねぇ、サヤカ。言いたいことあるんだけど?」

「ご、ごめん・・・」


お酒を買いに行こうとスーパーに立ち寄り、その時にやっとちゃんと見ることが出来た男の顔を見て…

私は怒り顔、サヤカは苦笑い。


だけどよくよく考えれば、そうだよね。

翔太くんはサヤカと仲良くしたいだけ。

サヤカを家に招くために、私と自分の友達を誘っただけ。

私の相手なんて、当て馬だ。


そう……当て馬…


でも…でも…!!

メガネの馬顔なんて、酷すぎるよっ!!!



 
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