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第7章 恋敵

ｻｸｻｸした衣と、噛む度に口に広がる肉汁がソースと絡まって旨い。艶々に炊き上がったご飯を頬張り、だしの効いたみそ汁とｼｬｷｼｬｷのｷｬﾍﾞﾂに箸が止まらない俺。


「美味いですねぇ」

「でしょう？」

「ﾔﾂのいい所は料理の腕だけだな」


悪友らしい褒め言葉に、ｸﾞﾗｽに水を足しに来た麻由さんが笑う。


「そんな事ないですよ、修平さんはああ見えて優しいですから」

「麻由、俺はどう見えてるんだ」


ｶｳﾝﾀｰの内側に来た雇い主に目を丸くする麻由さん。


「い、いえ、なんでもないです。あ、食器洗ってきます」


ﾊﾞﾀﾊﾞﾀと中に入っていく麻由さんの背中をみんなの笑いが見送った。


「うまいか」

「はい、凄く」

「じゃあたくさん喰え。はいお代わり」


山盛りにされたご飯が俺の目の前で待っている。


「いただきます」