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可奈さん
第8章 涙
「コーヒー買ってきました。はいこれ、可奈さんの分、熱いですからね」
「ありがとう」
可奈さんは両手でコップを包み手を温める仕草をした。
俺は黙ってコップのフタにある飲み口の部分だけを開けてあげた。
「あ、ありがとう」
「どうやって飲むんですか?」
「………」
「頭に乗っかってるもの取ったらどうです?」
可奈さんはグレーのシールドを鼻の上までそっと上げ、コーヒーを一口飲むとすぐにをパタンと下ろした。
ぷぷっ
へんなの
吐く息と湯気でシールド全体が曇る。
俺は知らん顔をして通りを流れる車のライトを目で追った。
「可奈さん、メット脱がないとよく聞こえないでしょう?」
「聞こえる」
「飲みにくいでしょう?」
「飲める」
「メット被ったままコーヒー飲む人なんていませんよ」
「ここにいる」
……
とんでもない意地っ張りだな…
「ありがとう」
可奈さんは両手でコップを包み手を温める仕草をした。
俺は黙ってコップのフタにある飲み口の部分だけを開けてあげた。
「あ、ありがとう」
「どうやって飲むんですか?」
「………」
「頭に乗っかってるもの取ったらどうです?」
可奈さんはグレーのシールドを鼻の上までそっと上げ、コーヒーを一口飲むとすぐにをパタンと下ろした。
ぷぷっ
へんなの
吐く息と湯気でシールド全体が曇る。
俺は知らん顔をして通りを流れる車のライトを目で追った。
「可奈さん、メット脱がないとよく聞こえないでしょう?」
「聞こえる」
「飲みにくいでしょう?」
「飲める」
「メット被ったままコーヒー飲む人なんていませんよ」
「ここにいる」
……
とんでもない意地っ張りだな…