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可奈さん
第8章 涙
「さっき泣いてたんですか?」
わざと小さな声で言った。
「えっ?…よく聞こえない」
声を張り上げた。
「さっき、たーかーひーらーのト-イ-レ-でなーいーてーたーんですかーっ?」
コンビニがら出てきた客が立ち上まってこっちを見た。
「もう…、わかったわよ、ちょっとこのコップ持ってて」
可奈さんがメットを外し、コーヒーを俺の手から取り戻したあとも、俺は通りを眺めていた。
「ティッシュもありますよ」
袋ごと可奈さんに渡す。
「ありがとう、持ってるのよ」
「足りないんじゃないですか?」
2つのメットをハンドルに引っ掛けた。店を背にして、並んでコーヒーを飲み干すまで俺は黙っていた。
………
「誰も変わってなくて、いつものままでいてくれて、嬉しかったの。
私は、…とんでもない事をしてたのに」
わざと小さな声で言った。
「えっ?…よく聞こえない」
声を張り上げた。
「さっき、たーかーひーらーのト-イ-レ-でなーいーてーたーんですかーっ?」
コンビニがら出てきた客が立ち上まってこっちを見た。
「もう…、わかったわよ、ちょっとこのコップ持ってて」
可奈さんがメットを外し、コーヒーを俺の手から取り戻したあとも、俺は通りを眺めていた。
「ティッシュもありますよ」
袋ごと可奈さんに渡す。
「ありがとう、持ってるのよ」
「足りないんじゃないですか?」
2つのメットをハンドルに引っ掛けた。店を背にして、並んでコーヒーを飲み干すまで俺は黙っていた。
………
「誰も変わってなくて、いつものままでいてくれて、嬉しかったの。
私は、…とんでもない事をしてたのに」