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可奈さん
第8章 涙
「あの人も大事だと言ってくれたな…」
「……」
「でも好きだとは、言ってくれなかった…」
「俺は永遠に言えます」
「…私は言えない」
「嫌われないようにします」
「そのうち、離れてく…」
「え…」
可奈さんの表情は、結果がわかっているスポーツニュースを観ているように冷静だった。
「離れたりしません」
可奈さんを解放しジャケットのファスナ-を閉じる。
迷惑ですか?と言って見つめると「大迷惑よ」と笑った。
その笑顔の下にある涙を俺が忘れさせてあげられたら……
「俺をさけたりしませんよね」
「……、このハンカチ、返さなくちゃならないし」
俺のハンカチをポケットから出して見せた。
可奈さんは目だけで笑い、「もう泣かないね」と約束した。
「俺は泣かせたりしません」
「……」
「でも好きだとは、言ってくれなかった…」
「俺は永遠に言えます」
「…私は言えない」
「嫌われないようにします」
「そのうち、離れてく…」
「え…」
可奈さんの表情は、結果がわかっているスポーツニュースを観ているように冷静だった。
「離れたりしません」
可奈さんを解放しジャケットのファスナ-を閉じる。
迷惑ですか?と言って見つめると「大迷惑よ」と笑った。
その笑顔の下にある涙を俺が忘れさせてあげられたら……
「俺をさけたりしませんよね」
「……、このハンカチ、返さなくちゃならないし」
俺のハンカチをポケットから出して見せた。
可奈さんは目だけで笑い、「もう泣かないね」と約束した。
「俺は泣かせたりしません」