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第9章 熱

逢いに行っていいものかと迷い、連絡したら迷惑がられるかもしれないと考え込んだりしている俺。
その一方で仕事を探し始めた俺。
なぜ突然そこに考えが及んだのかわからない。

ただ、今のままではﾀﾞﾒだという思いが強く胸に渦巻いていた。




『たくやさいきんこないねおこめとしようゆとさとうとぎゆうにゆうおねがいします』


久しぶりにばあちゃんから入ったﾒｰﾙで自分に弾みをつけ、帰りに可奈さんちを訪ねる決心をした。


なんて言おう。

「ﾊﾝｶﾁ返してください」

…変だよな





6時に仕事を引き継ぎ、俺はまたﾏﾙｹﾞﾘ-ﾀをぶら下げて、団地を目指して歩いた。

重苦しく、俯きたくなるような気分だった。

"両想い"の木田がﾏｼﾞ羨ましい。

俺を足止めしていたのは可奈さんだ。あの人は俺の調子を狂わせる。

ひょっとしてもう俺の事忘れてる？