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可奈さん
第9章 熱
「機械いじりだって好きだったじゃないの、いつまでピザ屋やってるつもり?」
バカにされたようで腹が立つ。
「いいじゃんべつに」
「わかってるんでしょ、あんたにやって欲しいのよ、父さんは」
「やだね」
「まったくガキね…、とにかく考えといて、また電話するから。あ、さっきの舌打ち、聞こえてたわよ」
それだけ言って電話は切れた。
「仕事の事?」
「うん」
ばあちゃんはニコニコしながら紅茶を一口飲んだ。
「そういえば小さい頃、父さんと一緒に廃材集めて自転車を組み立てた事あったわね、きれいにサビを落としてペンキ塗って…」
「…うん」
「拓也は油の匂いをいいニオイって言ってたね」
「……」
そうなんだよな、オイルの匂いは嫌いじゃないし機械も好きだ。
爪の中まで汚れた親父の大きな手にも憧れていた。
「あ…」
壁の時計は、もうすぐ7時、を示していた。
バカにされたようで腹が立つ。
「いいじゃんべつに」
「わかってるんでしょ、あんたにやって欲しいのよ、父さんは」
「やだね」
「まったくガキね…、とにかく考えといて、また電話するから。あ、さっきの舌打ち、聞こえてたわよ」
それだけ言って電話は切れた。
「仕事の事?」
「うん」
ばあちゃんはニコニコしながら紅茶を一口飲んだ。
「そういえば小さい頃、父さんと一緒に廃材集めて自転車を組み立てた事あったわね、きれいにサビを落としてペンキ塗って…」
「…うん」
「拓也は油の匂いをいいニオイって言ってたね」
「……」
そうなんだよな、オイルの匂いは嫌いじゃないし機械も好きだ。
爪の中まで汚れた親父の大きな手にも憧れていた。
「あ…」
壁の時計は、もうすぐ7時、を示していた。