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可奈さん
第9章 熱
「…ベ、ベッドは処分したの…」
高い場所が怖いのか、俺の肩を両手で掴みキョロキョロ下を気にする可奈さん。
「じゃあ布団は?」
「そ、そこを開けた和室…」
真面目に答える可奈さん。
閉じられた襖のそばに可奈さんを運び「開けてください」と言うと、泣きそうな顔で襖に手を伸ばした。
「逃げても捕まえますから」
戦意喪失したらしい可奈さんを部屋の隅っこに下ろすと、俺は押入れを勝手に開けて寝床をこしらえに掛かった。
「…、いつも、マットレスも敷いてるの」
「わかりました」
体育座りをして小さくなっている可奈さんの様子を伺いながら、シーツを広げ、枕を置き、薄い肌掛け布団を整える。
燃え上がった熱の片隅に残っていた冷静さが、彼女に飛び掛かるのを何とか押さえ付けていた。
呼吸ばかりが荒くなる。
高い場所が怖いのか、俺の肩を両手で掴みキョロキョロ下を気にする可奈さん。
「じゃあ布団は?」
「そ、そこを開けた和室…」
真面目に答える可奈さん。
閉じられた襖のそばに可奈さんを運び「開けてください」と言うと、泣きそうな顔で襖に手を伸ばした。
「逃げても捕まえますから」
戦意喪失したらしい可奈さんを部屋の隅っこに下ろすと、俺は押入れを勝手に開けて寝床をこしらえに掛かった。
「…、いつも、マットレスも敷いてるの」
「わかりました」
体育座りをして小さくなっている可奈さんの様子を伺いながら、シーツを広げ、枕を置き、薄い肌掛け布団を整える。
燃え上がった熱の片隅に残っていた冷静さが、彼女に飛び掛かるのを何とか押さえ付けていた。
呼吸ばかりが荒くなる。