この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可奈さん
第11章 葛藤
「ちっ、見られたか」
ヤツがわざとらしく壁から手を離す。
「お、お邪魔しました」
「あ、違うよ、りえちゃん待っ…」
一瞬冷えた目を俺に向け、りえちゃんは逃げて行った。
「おい、どうすんだよ、お前のせいだぞ」
「ははっ…それより、さっさと白状しろよ。どんな女の子だよ、俺の知ってる子か?」
「……お前も知ってる人だ」
「え、そうなの?」
きょとんとする木田のマヌケ面。
「……も、もしかしてお前…」
「ん?」
「ナナさんか?」
ガクッ
「ちげーよ」
なぜその名を口にする。まあ、確かにナナさんとは……
「じ、じゃあユミちゃん?ヨリが戻ったの?」
胸がシクシクと痛む。
「…違う」
「じゃああの子かな、いやあの子か…、まてよそれとも……」
「お前いったい誰の事を思い出してるんだ、いい加減にしろよまったく。………可奈さんだよ」
「……は?誰それ」
「だから……、瀬川さんだよ、瀬川可奈さん」
木田は額に指先を当てて考え込んだ。
ヤツがわざとらしく壁から手を離す。
「お、お邪魔しました」
「あ、違うよ、りえちゃん待っ…」
一瞬冷えた目を俺に向け、りえちゃんは逃げて行った。
「おい、どうすんだよ、お前のせいだぞ」
「ははっ…それより、さっさと白状しろよ。どんな女の子だよ、俺の知ってる子か?」
「……お前も知ってる人だ」
「え、そうなの?」
きょとんとする木田のマヌケ面。
「……も、もしかしてお前…」
「ん?」
「ナナさんか?」
ガクッ
「ちげーよ」
なぜその名を口にする。まあ、確かにナナさんとは……
「じ、じゃあユミちゃん?ヨリが戻ったの?」
胸がシクシクと痛む。
「…違う」
「じゃああの子かな、いやあの子か…、まてよそれとも……」
「お前いったい誰の事を思い出してるんだ、いい加減にしろよまったく。………可奈さんだよ」
「……は?誰それ」
「だから……、瀬川さんだよ、瀬川可奈さん」
木田は額に指先を当てて考え込んだ。