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可奈さん
第11章 葛藤
「あ、りえちゃん、さっきの誤解だから」
「あはは、わかってますよー」
りえちゃんの笑顔にほっとして、俺は宅配バイクのキーを捻った。
黄色く色付いた銀杏並木はもうすぐ葉を落とし始めるだろう。
公園のベンチには愉しげに笑う女子高生達が見える。
信号の向こうに暮れかかった空を見つけた時、木田の言葉が心を過る。
──あの人は男を亡くした寂しい大人の女
確かにそうかも知れない。
いや違う。
あの日から、俺を見つめる彼女の視線は、明らかに前と違ってる。
修平さん達と冗談を交わしながら俺を見つめる優しい笑顔や、手を振る時の艶っぽい特別な仕草。
寂しさを紛らわせているわけじゃない。
──愛の手ほどき
その言葉はため息が出る程魅力的で、すぐに彼女との一夜を思い出させた。
あの時の彼女の瞳は夜毎俺を縛りつけ、その躰から放たれた大人の匂いが目を閉じた瞬間漂ってくる。
可奈さん…
甘い声と濡れた吐息は、いつでも俺を支配できた。
あなたをもっと知りたい。
可奈さん、あなたは違うの?
「あはは、わかってますよー」
りえちゃんの笑顔にほっとして、俺は宅配バイクのキーを捻った。
黄色く色付いた銀杏並木はもうすぐ葉を落とし始めるだろう。
公園のベンチには愉しげに笑う女子高生達が見える。
信号の向こうに暮れかかった空を見つけた時、木田の言葉が心を過る。
──あの人は男を亡くした寂しい大人の女
確かにそうかも知れない。
いや違う。
あの日から、俺を見つめる彼女の視線は、明らかに前と違ってる。
修平さん達と冗談を交わしながら俺を見つめる優しい笑顔や、手を振る時の艶っぽい特別な仕草。
寂しさを紛らわせているわけじゃない。
──愛の手ほどき
その言葉はため息が出る程魅力的で、すぐに彼女との一夜を思い出させた。
あの時の彼女の瞳は夜毎俺を縛りつけ、その躰から放たれた大人の匂いが目を閉じた瞬間漂ってくる。
可奈さん…
甘い声と濡れた吐息は、いつでも俺を支配できた。
あなたをもっと知りたい。
可奈さん、あなたは違うの?