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可奈さん
第11章 葛藤
「あの…、こんばんは」
振り返ったその人は、パンツスーツを品良く着こなし、キリッとした目鼻立ちに濃い口紅が似合うスレンダーな女性。
「こんばんは……」
その落ち着いた物腰と声色に急に緊張してきた。たぶん40才位。
「あの、俺……あ、そうだこれ、たかひ……」
「キャー!あなた、可奈さんの弟さん?まぁ、なんて素敵なの?
背がたっか~い」
は?
「可奈さん、可奈さーん、来たわよー。"たかひら"さんからの差し入れよー」
おとうと?
「その段ボール開くの後にして休憩しましょ~」
「はーい」
奥から可奈さんの声がした。
「久しぶりの差し入れだわ、ちょっと見せて。
あら、美味しそう、エビフライが入ってるわ」
なんなんだこの人は。
俺の手から袋を奪い、中を物色する腹ぺこババア。
「拓也さん。ありがとう、さっき修平から電話もらったの。仕事帰りなのにごめんなさい、疲れてない?」
「いえ、ぜんぜん。可奈さんこそ大変ですね。残業お疲れさまです」
振り返ったその人は、パンツスーツを品良く着こなし、キリッとした目鼻立ちに濃い口紅が似合うスレンダーな女性。
「こんばんは……」
その落ち着いた物腰と声色に急に緊張してきた。たぶん40才位。
「あの、俺……あ、そうだこれ、たかひ……」
「キャー!あなた、可奈さんの弟さん?まぁ、なんて素敵なの?
背がたっか~い」
は?
「可奈さん、可奈さーん、来たわよー。"たかひら"さんからの差し入れよー」
おとうと?
「その段ボール開くの後にして休憩しましょ~」
「はーい」
奥から可奈さんの声がした。
「久しぶりの差し入れだわ、ちょっと見せて。
あら、美味しそう、エビフライが入ってるわ」
なんなんだこの人は。
俺の手から袋を奪い、中を物色する腹ぺこババア。
「拓也さん。ありがとう、さっき修平から電話もらったの。仕事帰りなのにごめんなさい、疲れてない?」
「いえ、ぜんぜん。可奈さんこそ大変ですね。残業お疲れさまです」