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可奈さん
第11章 葛藤
「そうですか……でも心配ですよね」

「そうだな、可奈と一緒で母一人子一人だからな」


グラスにビールを注ぎ足した修平さんは、それを一口だけ飲んで俺を見た。


「お前…」

「はい」

「麻由の事どう思う?」

「え…」


なぜ麻由さんなんだ。


「はあ、俺はその…」

「あいつ」

「あの、俺は…」

「俺の事どう思ってるかな……」

「え……えぇっ!?」


そっち?

俺は驚きとびっくりが背中から飛び出しそうだった。


「し、修平さん」

「なんだ」

「麻由さんの事好きなんですか?」

「悪いか」

「悪くないです!」


むしろイイ!
好都合!


「そうか」

「でも…」

「でもなんだ」


俺は最大の疑問を投げつけた。


「修平さんは可奈さんが好きだったんじゃないんですか?」


残りのビールを飲み干して、修平さんは腕を組んだ。


「俺もそう思ってた」


へ?
なにそれ



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