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可奈さん
第12章 恋というもの
「この近くで飲んでたんです」

「そうなの? もうお開き?」


「え、あ、いえ……。メールを見て、もしかしたら会えるかもと思って、ぬけて来ました」

「私に?」


目が丸くなった、かわいいなぁ……


「ええ」

「ありがとう」

「いえ」


俺を見上げて微笑む表情にドキドキする。
さっきまでのもやもやが消え去った。


これって恋だよなー。


「あの、それ買うんですか?」


抱えていたのはファッション紙だった。


「そうなの、勉強の為に、フフッ」

「俺が買います」

「ありがとう、でもいいの、自分の物は自分で買うって決めてるの」


そう言ってレジに向かう彼女。

手持ち無沙汰の俺はコーラを手に取り、ついでにおにぎりを物色する。

可奈さんの会計が済むのを見計らい、急いでレジに品物を乗せた。


「っ!」


そこにユミがいた。



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