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可奈さん
第12章 恋というもの
「久しぶり」
驚いた様子も見せずにまっすぐ俺を見つめるユミ。
「あ、……うん」
固まっている俺とは対照的に、手際よくバーコードを読み取るユミ。
「綺麗な人だね」
「……」
「アタシも彼氏できたんだよ、ほら、あの人」
「え?」
それはさっきの男だった。よくみると学生っぽい。
「そうなんだ」
「421円です」
「あ、はい」
袋詰めするユミの手元を見ながらゴソゴソと財布を取り出し500円玉を掴まえた。
「79円お返しします。ありがとうございました」
おつりと袋を受け取ってチラリと顔を見た。
「……がんばってね」
「う、うん。ユミも」
微かに笑ったユミの顔は、最後に会ったあの日を思い出させた。
お団子にしていた髪は短いボブに変わっていた。
俺はユミの視線を背に受けて可奈さんの待つドアに向かった。
胸の真ん中が痛い。
一度も来たことがなかったユミのバイト先にこんな形で来るなんて。
しかもココだった事をすっかり忘れていたなんて。
俺ってホントにアホ…
驚いた様子も見せずにまっすぐ俺を見つめるユミ。
「あ、……うん」
固まっている俺とは対照的に、手際よくバーコードを読み取るユミ。
「綺麗な人だね」
「……」
「アタシも彼氏できたんだよ、ほら、あの人」
「え?」
それはさっきの男だった。よくみると学生っぽい。
「そうなんだ」
「421円です」
「あ、はい」
袋詰めするユミの手元を見ながらゴソゴソと財布を取り出し500円玉を掴まえた。
「79円お返しします。ありがとうございました」
おつりと袋を受け取ってチラリと顔を見た。
「……がんばってね」
「う、うん。ユミも」
微かに笑ったユミの顔は、最後に会ったあの日を思い出させた。
お団子にしていた髪は短いボブに変わっていた。
俺はユミの視線を背に受けて可奈さんの待つドアに向かった。
胸の真ん中が痛い。
一度も来たことがなかったユミのバイト先にこんな形で来るなんて。
しかもココだった事をすっかり忘れていたなんて。
俺ってホントにアホ…