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第12章 恋というもの

家まで送ってっていいんだよな。


「あ、修平さんと麻由さんの事聞いてますか？」

「え、どんな事？」


俺は修平さんから聞いた話をそのまま伝え、彼女の反応を待った。


「よかったー。麻由ちゃんずーっと修平の事が好きだったから…」

「えっ、そうなんですか？」

「見てたらわかるわよ。修平が鈍感過ぎて気付かないだけ。小山ｸﾝだって知ってた筈よ」

「そうなんだ」

「よかったー、嬉しいﾆｭｰｽをありがとう。あの2人が結婚したらきっと素敵な家庭になるわ」


ぱっと輝いた表情と弾んだ声は2人を祝福し、心から喜んでいるのがわかる。

人の幸せをそんなふうに喜べるのなら、自分の幸せはどうなんだろう。


「可奈さん結婚は？」

「え？」

「可奈さんは結婚したいですか？」


したいよなそりゃ。

まさか、お、俺と？


「……しないわ、誰とも」


強烈な右ｽﾄﾚｰﾄが顎に決まった。


「そ、そんなに決めつけなくてもいいんじゃないですか？」

「あはは！それもそうね」