この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可奈さん
第12章 恋というもの
「そっか、なんかお前元気ないな」
「そうか?」
「バレバレだろ」
俺の肩をドンと叩いた木田は、ニヤリと不気味に笑い、「まあ、今夜はゆっくり俺の歌を聴け」と言ってウインクした。
「いらねえよ」
「やだ、そこの2人あやし~」
「きもーい」
ひとしきり笑い合い、スナック菓子をつまみ、バカみたいに歌う。
この空間が俺を救った。
彼女はどうしただろう。
ここで無邪気に笑う女の子達。可奈さんもきっとこんな風に笑っていた筈だ。
それが……
「井口さんはあの女の人とどうやって知り合ったんですか?」
知佳ちゃんが興味津々の顔をこっちに向けた。
「聞きたい聞きたい」
「ウンウン」
みんなが話に乗ってくる。
「え、えーっと」
団地からずっと見てたなんて言えないし……、雨の日のアノ出来事なんてもっと言えない。
「お得意さんに猛アタ-ック!」
「えーっ!」
木田のナイスフォローに再び場が盛り上がった。
「ま、そういう事」
「わー、凄い」と葉月ちゃんが目を丸くした。
ナナさんと俺の事、忘れてくれてるみたい。
「そうか?」
「バレバレだろ」
俺の肩をドンと叩いた木田は、ニヤリと不気味に笑い、「まあ、今夜はゆっくり俺の歌を聴け」と言ってウインクした。
「いらねえよ」
「やだ、そこの2人あやし~」
「きもーい」
ひとしきり笑い合い、スナック菓子をつまみ、バカみたいに歌う。
この空間が俺を救った。
彼女はどうしただろう。
ここで無邪気に笑う女の子達。可奈さんもきっとこんな風に笑っていた筈だ。
それが……
「井口さんはあの女の人とどうやって知り合ったんですか?」
知佳ちゃんが興味津々の顔をこっちに向けた。
「聞きたい聞きたい」
「ウンウン」
みんなが話に乗ってくる。
「え、えーっと」
団地からずっと見てたなんて言えないし……、雨の日のアノ出来事なんてもっと言えない。
「お得意さんに猛アタ-ック!」
「えーっ!」
木田のナイスフォローに再び場が盛り上がった。
「ま、そういう事」
「わー、凄い」と葉月ちゃんが目を丸くした。
ナナさんと俺の事、忘れてくれてるみたい。