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可奈さん
第13章 思い込み
「親父さんは、舞を助けてくれたんだ」
怒りで呼吸を荒げている俺にはわけがわからない。
「なんですか、それ」
「親父さん、拓也君に黙ってたんだな。舞の為に……いや、拓也君の為かな」
「よ、よくわからないんですけど、何なんですか?」
落ち着いてきた俺は、松井さんの言葉の中に嘘を探そうとしていた。
親父を庇う為の嘘を。
「恥ずかしい話なんだけど。舞のヤツ、出会い系とかいうやつで金を…」
「え?」
「あの頃、アイツの様子がおかしいから親父さんに相談してたんだ」
舞ちゃんが…
「金持ちの友達がいてな……舞もいろいろと、欲しい物があったって。バカだよな。
親父さんに見つかったのはホントにたまたまだったんだ。
新規の客との打ち合わせに行って、その帰りに舞が男と歩いてるのを見かけたんだ。
……よかったよ、親父さんに舞の入学写真見せといて」
じゃあ親父は……
「へんな中年男とホテルに入っていく寸前に舞の名前を呼んだら、はっと振り向いたらしい。で、俺の娘に何するんだ、ってそいつをぶっ飛ばしちまった」
なんで……
なんで俺に言わないんだ。
怒りで呼吸を荒げている俺にはわけがわからない。
「なんですか、それ」
「親父さん、拓也君に黙ってたんだな。舞の為に……いや、拓也君の為かな」
「よ、よくわからないんですけど、何なんですか?」
落ち着いてきた俺は、松井さんの言葉の中に嘘を探そうとしていた。
親父を庇う為の嘘を。
「恥ずかしい話なんだけど。舞のヤツ、出会い系とかいうやつで金を…」
「え?」
「あの頃、アイツの様子がおかしいから親父さんに相談してたんだ」
舞ちゃんが…
「金持ちの友達がいてな……舞もいろいろと、欲しい物があったって。バカだよな。
親父さんに見つかったのはホントにたまたまだったんだ。
新規の客との打ち合わせに行って、その帰りに舞が男と歩いてるのを見かけたんだ。
……よかったよ、親父さんに舞の入学写真見せといて」
じゃあ親父は……
「へんな中年男とホテルに入っていく寸前に舞の名前を呼んだら、はっと振り向いたらしい。で、俺の娘に何するんだ、ってそいつをぶっ飛ばしちまった」
なんで……
なんで俺に言わないんだ。