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可奈さん
第13章 思い込み
「その時舞が、拓也兄ちゃんには言わないでくれ、って泣いて頼んだらしいけど……。
社長本当に黙っててくれたんだな。
拓也君に誤解させて、ホントにごめんな」
いかにも親父らしいやり方だ。
力が抜けて壁にもたれた。
「拓也君…」
「松井さん、話してくれてありがとうございました。ちゃんと聞く事ができてよかったです」
「そうか?……舞の事、変わらず見てやってくれな…」
「俺もうガキじゃありませんから」
松井さんが工場に戻ってから、俺は小さい舞ちゃんと鬼ごっこした駐車場を眺めていた。
無邪気だったあの頃。
舞ちゃんは舞ちゃんのままで、いつまでも変わらないと思っていた。
「あ、いたいた。
お母さん、拓也まだ居たよ」
げ、姉貴とお袋が来た。
「姉ちゃん、そのお腹…」
「7ヶ月よ7ヶ月。ほら、触ってごらん。拓也に会えて喜んでる」
姉貴は無理やり手首を掴み、自分の腹に俺の手のひらを押し当てた。
ゴンッと手応えがする。
「わ…、今のなに?」
「お前を蹴ったのよ」
えーっ!
気持ち悪っ。
社長本当に黙っててくれたんだな。
拓也君に誤解させて、ホントにごめんな」
いかにも親父らしいやり方だ。
力が抜けて壁にもたれた。
「拓也君…」
「松井さん、話してくれてありがとうございました。ちゃんと聞く事ができてよかったです」
「そうか?……舞の事、変わらず見てやってくれな…」
「俺もうガキじゃありませんから」
松井さんが工場に戻ってから、俺は小さい舞ちゃんと鬼ごっこした駐車場を眺めていた。
無邪気だったあの頃。
舞ちゃんは舞ちゃんのままで、いつまでも変わらないと思っていた。
「あ、いたいた。
お母さん、拓也まだ居たよ」
げ、姉貴とお袋が来た。
「姉ちゃん、そのお腹…」
「7ヶ月よ7ヶ月。ほら、触ってごらん。拓也に会えて喜んでる」
姉貴は無理やり手首を掴み、自分の腹に俺の手のひらを押し当てた。
ゴンッと手応えがする。
「わ…、今のなに?」
「お前を蹴ったのよ」
えーっ!
気持ち悪っ。