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可奈さん
第13章 思い込み
女の子はいろいろと気を付けてあげないとな。世の中悪い男ばかりだ。
「拓也、この子が生まれたら見に来なさいよ」
「うん。抱っこしに行くよ」
「ほら、お前の声が分かるみたいよ、あはは、元気元気」
「あら、お父さん、お出掛け?」
急ぎ足で出て来た親父が車のドアに手を掛けた。
「なんだ来てたのか。うん、今度新しく入れる機械の講習があるんだ」
「そうなの。忙しいのね、いってらっしゃい」
「いってきます。
拓也、またこっちに顔を出せ、まあ、お前次第だけどな、じゃ」
走り去る車を見送ってから、お袋は工場にお茶菓子を持って行った。
「久しぶりに家族が揃ったのにもう行っちゃった」
「職場に押し掛ける方が悪いよ」
「まあね。でもこうでもしないと無理でしょ」
姉貴は親父の件を知っているんだろうか。
「さっき、松井さんと話したんだけど」
「なにを?」
「ほら、前に俺が見たって言った親父の浮気現場。……実はあれ、誤解だったみたい」
俺は知ったばかりの真実を姉貴に話した。
「そっかぁ。やっぱりね」
「拓也、この子が生まれたら見に来なさいよ」
「うん。抱っこしに行くよ」
「ほら、お前の声が分かるみたいよ、あはは、元気元気」
「あら、お父さん、お出掛け?」
急ぎ足で出て来た親父が車のドアに手を掛けた。
「なんだ来てたのか。うん、今度新しく入れる機械の講習があるんだ」
「そうなの。忙しいのね、いってらっしゃい」
「いってきます。
拓也、またこっちに顔を出せ、まあ、お前次第だけどな、じゃ」
走り去る車を見送ってから、お袋は工場にお茶菓子を持って行った。
「久しぶりに家族が揃ったのにもう行っちゃった」
「職場に押し掛ける方が悪いよ」
「まあね。でもこうでもしないと無理でしょ」
姉貴は親父の件を知っているんだろうか。
「さっき、松井さんと話したんだけど」
「なにを?」
「ほら、前に俺が見たって言った親父の浮気現場。……実はあれ、誤解だったみたい」
俺は知ったばかりの真実を姉貴に話した。
「そっかぁ。やっぱりね」