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可奈さん
第13章 思い込み
意外な言葉だった。
「え?」
「だってお母さんの態度が余裕ありすぎだったもの。きっとお父さんから聞いてたんだわ」
なるほど。
で、お喋りな姉貴にも黙ってた。
「まったくとんでもないな」
「まだ子供だったお前が悪い」
そうだったかもしれない。
「でもさ、一人暮らし出来たからいいじゃない」
「まあ、自由にはなった。金はないけど」
「おばあちゃんが、よく連絡して来たでしょ。買い物頼んだり」
「うん」
「あれ、拓也を一人ぼっちにしないようにお母さんが立てた作戦。言っとくけど、おばあちゃん足腰強いから」
「はあ?」
「そうでもしなきゃ、お前はなしのつぶてだから」
……ば、ばあちゃん
「拓也って……意外とお父さんの事好きだったのかもね」
「は?何言ってんの?」
「まあいいわ。久しぶりに会えたし、誤解もとけたみたいだし。みんなでご飯食べに行こ、うちの旦那様も一緒に」
夕食は、元気なばあちゃんも招待して焼肉を食べに行った。
遅れて来た親父は俺の隣に座り、おしぼりで手を拭きながら「拓也、すまなかったな」と小声で言った。
「また工場行きたいので、よろしくお願いします」
俺は頭を下げた。
「え?」
「だってお母さんの態度が余裕ありすぎだったもの。きっとお父さんから聞いてたんだわ」
なるほど。
で、お喋りな姉貴にも黙ってた。
「まったくとんでもないな」
「まだ子供だったお前が悪い」
そうだったかもしれない。
「でもさ、一人暮らし出来たからいいじゃない」
「まあ、自由にはなった。金はないけど」
「おばあちゃんが、よく連絡して来たでしょ。買い物頼んだり」
「うん」
「あれ、拓也を一人ぼっちにしないようにお母さんが立てた作戦。言っとくけど、おばあちゃん足腰強いから」
「はあ?」
「そうでもしなきゃ、お前はなしのつぶてだから」
……ば、ばあちゃん
「拓也って……意外とお父さんの事好きだったのかもね」
「は?何言ってんの?」
「まあいいわ。久しぶりに会えたし、誤解もとけたみたいだし。みんなでご飯食べに行こ、うちの旦那様も一緒に」
夕食は、元気なばあちゃんも招待して焼肉を食べに行った。
遅れて来た親父は俺の隣に座り、おしぼりで手を拭きながら「拓也、すまなかったな」と小声で言った。
「また工場行きたいので、よろしくお願いします」
俺は頭を下げた。