この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可奈さん
第13章 思い込み
歩道を歩いて来た女性2人が、こっちを見てすぐに視線を戻し、顔を見合わせて足早に通り過ぎた。
「キミ、その下品な言い方はやめたまえ。俺と彼女は純粋に……」
「純粋に?」
「ひ、み、ちゅ」
木田は人差し指を口に当て、くるりと背を向けて歩きだした。
「おい待て木田っ」
ヤツに追い付いて腕を掴む。
「白状しろ」
「わ、わかったわかった。痛いから離せ。じつは……致しました」
「は?」
「だから、致しました」
「成功したのか」
「成功?むふっ、確かに性交致しました」
照れながらくだらないギャグを飛ばす木田。
「アハハ、お前バカじゃねえの? おめでとう、よかったな」
「まあな。俺は葉月ちゃんが大好きだー!」
バンザイした手を無理やり下げさせる。
「叫ぶなよ、こっちが恥ずかしいだろ」
「タク、お前も頑張れよ。あんまり背伸びし過ぎないようにな」
背伸び?
「あ、背伸びなんかしなくてもデカいか、アハハ」
木田とはそこで別れた。
背伸びどころか俺は間違いなく成長してるぜ、お前もだろ木田。
遠くなる友達の背中と俺自身に、熱いエールを贈って家路についた。
「キミ、その下品な言い方はやめたまえ。俺と彼女は純粋に……」
「純粋に?」
「ひ、み、ちゅ」
木田は人差し指を口に当て、くるりと背を向けて歩きだした。
「おい待て木田っ」
ヤツに追い付いて腕を掴む。
「白状しろ」
「わ、わかったわかった。痛いから離せ。じつは……致しました」
「は?」
「だから、致しました」
「成功したのか」
「成功?むふっ、確かに性交致しました」
照れながらくだらないギャグを飛ばす木田。
「アハハ、お前バカじゃねえの? おめでとう、よかったな」
「まあな。俺は葉月ちゃんが大好きだー!」
バンザイした手を無理やり下げさせる。
「叫ぶなよ、こっちが恥ずかしいだろ」
「タク、お前も頑張れよ。あんまり背伸びし過ぎないようにな」
背伸び?
「あ、背伸びなんかしなくてもデカいか、アハハ」
木田とはそこで別れた。
背伸びどころか俺は間違いなく成長してるぜ、お前もだろ木田。
遠くなる友達の背中と俺自身に、熱いエールを贈って家路についた。