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可奈さん
第13章 思い込み
小山さんと可奈さんは赤ん坊の性別や名前の事で盛り上がっていた。
麻由さんはパートさんとの連携も鮮やかに接客をこなし、修平さんはその様子を確認しながらキッチンで腕を奮う。
居心地の良い店だ、なにより活気がある。俺は客の立場で店内をぐるりと見渡した。
「大盛りにして正解だったな」
修平さんが顔を出した。
「ありがとうございます。かつも大きくて腹一杯です」
「味をほめろ味を」
「もちろん最高に美味いです」
「当たり前だ、あははっ」
一息ついたらしく、隣に腰を下ろして水をひと口飲んだ彼は、俺に肩を寄せて小声で囁いた。
「俺も子供が欲しい」
「がんばってください」
「まだ手が出せねぇ」
「が、がんばってください」
「そこの2人、なにコソコソしてんの?」
可奈さんが横入りしてきた。
「あ、修平さんに、良かったですね、がんばってくださいって…」
「お、おぅ、もちろんがんばるよ」
大の大人を躊躇させてしまう恋っていうヤツの不思議を、俺は改めて感じる。
麻由さんはパートさんとの連携も鮮やかに接客をこなし、修平さんはその様子を確認しながらキッチンで腕を奮う。
居心地の良い店だ、なにより活気がある。俺は客の立場で店内をぐるりと見渡した。
「大盛りにして正解だったな」
修平さんが顔を出した。
「ありがとうございます。かつも大きくて腹一杯です」
「味をほめろ味を」
「もちろん最高に美味いです」
「当たり前だ、あははっ」
一息ついたらしく、隣に腰を下ろして水をひと口飲んだ彼は、俺に肩を寄せて小声で囁いた。
「俺も子供が欲しい」
「がんばってください」
「まだ手が出せねぇ」
「が、がんばってください」
「そこの2人、なにコソコソしてんの?」
可奈さんが横入りしてきた。
「あ、修平さんに、良かったですね、がんばってくださいって…」
「お、おぅ、もちろんがんばるよ」
大の大人を躊躇させてしまう恋っていうヤツの不思議を、俺は改めて感じる。