この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
可奈さん
第13章 思い込み
彼女は何も言わず、振り向きもせず、外から吹き込む冷たい風を残して足早に店を出た。

閉店間近で客が途絶えた店内は急に寒々としてきて、俺は人が集まった時の、室内の気温上昇について考えてみたりした。

照明はまだ明るいままなのに、店の四隅が薄暗く感じるのは、空気の流れが関係しているのだろうか。

テーブルを拭く女性の手元を無意識に眺め、マニキュアの色を変えた可奈さんの指先を思い出した。



「拓也さん、あったかいお茶どうぞ」


麻由さんの声にハッとして向き直ると、カウンターは綺麗に片付けられていて、湯気が揺らめく湯飲みが1個、目の前で待っていた。


「ありがとうございます」


熱さを我慢してゴクリと飲み込んだ。


「あいつが、可奈が自分で決めた事だ」


修平さんの声がする。


「拓也、大丈夫?」


小山さんの声がする。


「可奈は誰にも相談してなかった。俺達も今日聞いたばかりなんだ」

「相談というより報告だったな」

「そうですか。でも凄いですよね、お店が出せるなんて。支店なのかな?どこだろう。近くならいいですよね、これまで通り、またここで会えるし」



/266ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ