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可奈さん
第5章 来訪者

話を前後させながら可奈さんは喋る。
受付け嬢から急に秘書として抜擢されたのは、常に社員の仕事ぶりをチェックしている社長夫人、長谷川華江の推薦によるものだった事。
建設業から始まり、リゾートホテル事業へと会社を発展させてきた長谷川は、苦労して身に付けた経営力と人望でさらに業績を延ばしつつあった事。
その人柄は温和でユーモアがあり、社員からも慕われていた事。
彼女が29才の時に、病に倒れて入院した長谷川の身の回りの雑用を、夫人に頼まれた事から関係が深まった事など、その話の成り行きは、台本通りに進んでゆくつまらないドラマのようだ。
2人の関係が明るみになる事を避ける為に彼女は31才で退職し、社長に紹介されたブティックに勤め、同時にこのマンションを与えられる。
俺とはまったく関係のない世界。
常に羨望の眼差しを背中で受け止め、社会的にも認められた男。
受付け嬢から急に秘書として抜擢されたのは、常に社員の仕事ぶりをチェックしている社長夫人、長谷川華江の推薦によるものだった事。
建設業から始まり、リゾートホテル事業へと会社を発展させてきた長谷川は、苦労して身に付けた経営力と人望でさらに業績を延ばしつつあった事。
その人柄は温和でユーモアがあり、社員からも慕われていた事。
彼女が29才の時に、病に倒れて入院した長谷川の身の回りの雑用を、夫人に頼まれた事から関係が深まった事など、その話の成り行きは、台本通りに進んでゆくつまらないドラマのようだ。
2人の関係が明るみになる事を避ける為に彼女は31才で退職し、社長に紹介されたブティックに勤め、同時にこのマンションを与えられる。
俺とはまったく関係のない世界。
常に羨望の眼差しを背中で受け止め、社会的にも認められた男。

