この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
可奈さん
第5章 来訪者
テーブルに戻った可奈さんは一気に話しだした。


「奥様の言葉よ。
長谷川が入院してから…、あなたを幸せな女でいさせてあげていた5年の間に、わたくしが向き合ってきたものは、自分の中の醜さでした。
嫉妬、妬み、後悔、憎悪、嫌悪、飢餓感……いくら逃れようとしても追いかけてきて、汚い泥の沼に引き込まれてしまうんです。
わたくしは自分の躰を恨み、若くて美しいあなたを恨み、夫を恨んだ。…そう、逐一報告するようにと頼んでいた運転手の中井さんまでも。
ですから、長谷川が亡くなった今、あなたから全てを返して頂きに参りました、長谷川を、思い出して頂きたくもないという事です。
夜中に帰宅して、寝たふりをしているわたくしの寝間着の上から、なにもないこの胸と、額にキスをして隣で眠る長谷川だけが本当の彼なんですから…。
これはわたくしが5年間貯め続けたお金です。嫌でも受け取って頂きます。あなたにはその義務があるはずです。
綺麗で一点の曇りもない思い出として、心に遺しておけるとでも思っていたのですか?
あなたの記憶にあるもの、わたくしの苦しみの上にあった幸せの全てを忘れて頂きます……。
そして奥様は出ていかれた」




/266ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ