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可奈さん
第6章 風
車体を左に傾け、可奈さんと一体になってカーブを曲がる。
腹に心地よい圧がかかる。

防風林を右手に見ながらまっすぐな道を飛ばした。
海からの風が暖かく俺達を迎え、直進していく点を冷静に見下ろしている鳶が、上空を回遊する。

海の家は取っ払われ、海岸は落ち着きを取り戻しているだろう。

景色がだんだんと賑わい始め、軒を連ねる飲食店やホテル、水族館の前を過ぎる。


「江ノ島、懐かし~」


赤信号の先頭で止まった。


ドッドッドッドッドッ……


まさか、
いや間違いない。
後ろからヤツが近付いてくる


ドッドコドッドコドッドコ……


あぁ、ほらやっぱり
俺の右側に憧れのバイク


ハーレーダビットソン



ドドドッドドドッドドドッ……


低く太い排気音は重厚な車体と相まって、その存在感はハンパない。

ダイナローライダー 1450cc




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