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可奈さん
第6章 風
あれに乗れたらなぁ
可奈さんと二人…
信号が変わった。
江ノ島を目指してウィンカ-を点滅させるハーレーを残し、俺は愛車を直進させた。
「海が眩しいー」
一段と大きな声が背中で響く。
陽光を蓄え、海は光を一面に撒き散らしていた。
砂浜を埋めつくしていた人混みは消え、薄い雲が盛夏の終わりを告げる。
道なりにカーブを描いた。
大海の波頭は剣の切っ先のようにキラキラと耀き、波に遊ぶサーファ-の影までも光の中に隠していく。
左手に線路を見ながらスピードを緩めると、家々の軒先をやっと抜け出して来たであろう江ノ電が姿を現した。
「わー、見て、見てっ」
可奈さん大興奮。
緑色の車両と並行して走る。
人影疎らな鎌倉高校前駅と、踏切で立ち止まる親子連れに目を向けると、懐かしい漫画の一場面を思い出した。
ボードを抱えたサーファ-達が道の端を歩いている。
電車、車、バイク、人、鳥、それぞれが違う場所を目指し、まばゆい光線と潮風の中に溶け込んでいく。
可奈さんと二人…
信号が変わった。
江ノ島を目指してウィンカ-を点滅させるハーレーを残し、俺は愛車を直進させた。
「海が眩しいー」
一段と大きな声が背中で響く。
陽光を蓄え、海は光を一面に撒き散らしていた。
砂浜を埋めつくしていた人混みは消え、薄い雲が盛夏の終わりを告げる。
道なりにカーブを描いた。
大海の波頭は剣の切っ先のようにキラキラと耀き、波に遊ぶサーファ-の影までも光の中に隠していく。
左手に線路を見ながらスピードを緩めると、家々の軒先をやっと抜け出して来たであろう江ノ電が姿を現した。
「わー、見て、見てっ」
可奈さん大興奮。
緑色の車両と並行して走る。
人影疎らな鎌倉高校前駅と、踏切で立ち止まる親子連れに目を向けると、懐かしい漫画の一場面を思い出した。
ボードを抱えたサーファ-達が道の端を歩いている。
電車、車、バイク、人、鳥、それぞれが違う場所を目指し、まばゆい光線と潮風の中に溶け込んでいく。