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遠回りしたけど
第8章 大事にされるって
翌朝目が覚めると、目の前に大輝の顔があった。
ちょっとびっくりして大輝から離れようとしたけど
わたしの体をガッチリと包んでる腕のせいで
離れることができなかった。
少し大人になった大輝の顔を見つめて
目にかかる前髪にそっと触れる。
2年前はいつもわしゃわしゃと大輝の頭を撫でていたのに
今はこうして、少し髪の毛を触るだけでもドキドキした。
寝てるから気付かないかな、と思い
寝ている大輝の頭を少しだけ
わしゃわしゃと軽く撫でてみた。
柔らかいその髪が懐かしくて
自分の口角が少しだけ上がるのがわかった。
あんなにかわいかったのに・・・
昨日したことを思い出すと
昔のことが逆に嘘なんじゃないかって思ってしまうくらい
大輝はかっこよく成長してしまった。
「なんかずるいよ・・・ほんと」
わしゃわしゃ。
わしゃわしゃ。
「・・・ずるいのは、なおでしょ」