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遠回りしたけど
第9章 遠回りしたけど
「…なお?聞いてる?」
「………うん」
「ちょ、おまえなに泣いてっ…!?」
わたしはもう、嬉しくて、嬉しすぎて。
「も…」
「え?」
「もう一回…言って…」
ずっと待ってたんだよ、その言葉。
大輝の温かい指で涙を拭われると、満面の笑みで
「なおが昔からずっと、好きだよ」
言ってくれた。
「わたしも…好き…」
ずっと、ずっと、待ってたの。
わたしのことが好きって言葉。
最近はもう不安じゃなくなってた。
でもやっぱり、大輝の口から聞きたかったの。
「これからもずっと、俺と一緒にいろよ」
「…うん!」
何年も遠回りしたのかもしれない。
わたしが早く素直になっていたら、違ったのかも。
わたしは今、とっても、幸せです。
【END】