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Could you walk on the water ?
第6章 陵辱未遂
「まずい、これじゃ追いつかない・・・・・・」

既にバイクの乗り主の正体を知った以上、大介の今夜の目的は達成されたといってよかった。

だが、大介は妙な胸騒ぎを覚えていた。

妻の車、そして、バイクを実際に自分の目でとらえておきたかった。

慌てて彼らの後を追った大介だが、なかなか前方にその灯りを見つけることができなかった。

山の彼方から、轟音がかすかに聞こえてくる。

それはまるで、妻の助けを呼ぶ声にも聞こえた。

あなた・・・・・・、助けて・・・・・・・・・・・・

大介は、慣れぬ山道で懸命に車を走らせた。

だが、遂にバイクに、そして妻の車に追いつくことはできなかった。

「おかしい、こんなはずは・・・・・・・・」

集落のあるふもとにまで来た大介は、耳を澄ませた。

バイクたちの轟音は、もうどこからも聞こえてはこない。

大介は、そのまま自宅へと急いだ。

だが、妻の車はまだそこには戻っていなかった。

「畜生、あいつら、どこかで俺のことを・・・・・・・・・」

大介は車を急発進させ、今来た道を猛スピードで戻り始めた。

山道に入った大介は、一転して速度を緩め、周辺を注意深く見つめながら、車を走らせた。

木々に隠された空間が、織りなす道のあちらこちらに存在する。

行きかう車は皆無だ。

大介は用心深く車を走らせ、そして、遂にそれを見つけた。

「あれだ・・・・・」

メイン道路から更に山方向に向かう、小さな脇道の入り口に、3台のバイクが投げ出されている。

大介はすぐそばに車を停め、葉に覆われた細い脇道を歩き始めた。

10分ほど歩き続けた大介の視界に、それは捉えられた。

「・・・・・・」

暗闇の最奥部に、妻の車があった。
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