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Could you walk on the water ?
第7章 強要ストリップ
「汚い場所ですが、さあ、どうぞ」

どうやら、堀内は1人のVIPをここに招待しているようだった。

50歳を超えると思われるその男は、半そでの開襟シャツにスーツという、この場には不似合いな格好をしていた。

「社長、また連れてきやがったな」

隣の老年の社員がつぶやくのを見て、大介は思わず彼にささやいた。

「社長が連れてきた人、あれ、誰なんですかね」

「知らないのかい、あんた?」

「新入りですから」

「あれ、役人だよ」

「役人?」

「こういう土木工事にはお役所のバックアップが必須なんだよ。町、県は勿論、国の役人だってちゃんとケアしないといかん。ある意味で、仕事をするのを認めてもらう立場だからな、わしたちは」

「要は接待ですか」

「世間で言われてる賄賂やら不正行為なんて、氷山の一角さ。ゼネコン業界にはいつだって金が飛び交っている。うちの社長は最近金じゃなくて、別のものを贈っているみたいだけどね」

「別のもの?」

「これだよ、これ」

にたにたと笑いながら、その作業員は大介に小指を立てて見せた。

「そろそろ今夜もお出ましじゃないかな。この寮一番人気の人妻が」

大介はそれ以上、言葉を続けることができなかった。

官僚に対する接待。

それが豊岡が言っていたことの意味なのか・・・・・・・・。

この寮一番人気の人妻を使って・・・・・・・。

放心状態に陥った大介の耳に、その声が響いてきた。

「奥さん、待ちくたびれたよ!」

「よっ、待ってました!」

作業員たちが拍手で出迎えたのが自分の妻であることを、大介は知った。
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